(CMガイドブックからの抜粋を整理して、掲載致しました。詳細につきましては、CMガイドブックをご覧下さいますようお願い致します。)

 「日本のCMの変遷」で記載したように、国土交通省は、CM方式に関する各種研究会を 開催し、その方向性と位置付けを探ってきた。その結果として、「CM方式活用ガイドライン」、「CM方式導入促進方策調査報告書」および「地方公共団体の CM方式活用マニュアル試案」を作成した。これらの内容を理解することは、日本におけるCMの流れを知るために重要なことであると考えられるため、ここで は、その概要を説明する。

 

■ CM方式活用ガイドライン

  「CM方式活用ガイドライン」(以下「ガイドライン」)は、2002年2月、国土交通省がCM方式の円滑な普及を図る観点から、CM方式の内容、課題等を整理した上で、CM方式の活用に当たって基本的な指針となるものを目指して策定したものである。

  90年代初頭の日米建設交渉を契機として、我が国の入札・契約制度は大きく見直され、一般競争入札の導入、履行ボンドの導入、工事完成保証人制度の廃止な どの改革が実行された。この時期、CM方式を公共建設工事に採用すべきとする議論が活発になり、92年11月の中央建設業審議会では「CM方式を直ちに導 入する状況にはないものの、幅広い検討が必要である」として初めてCM方式に言及している。
 その後も、93年の同審議会建議、95年の「建設産 業政策大綱」、96年の「公共工事の品質に関する委員会報告」などで、CM方式の検討の必要性が指摘された。民間建設工事では、90年代から外資系企業や 大手ディベロッパーを中心にCM方式を活用する動きは始まっていたが、国土交通省は、発注者行政の立場から、事業者選定、報酬積算などの制度面の整備が十 分でないことを理由に、公共建設工事へのCM方式導入については消極的な姿勢を取り続けた。
 国土交通省は、CM方式の円滑な普及を図る観点か ら、2000年12月に学識経験者および関係業界の代表で構成する「CM方式研究会」を設置した。CM方式が、今後我が国の建設生産・管理システムの一つ として定着するためには、発注者、設計者、施工者等がCM方式に対し共通の理解や問題意識を持ち、CM方式が効果的かつ適正に活用されることが当面重要で あると考えたためである。ガイドラインは、この研究会での議論等を踏まえ、国土交通省として検討の上、策定されたものである。

 ガイドラ インでは、CM方式の定義について、「CM方式(ピュアCM)とは、発注者の補助者・代行者であるCMr(コンストラクション・マネジャー)が、技術的な 中立性を保ちつつ発注者の側に立って、設計・発注・施工の各段階において、設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、品質管理、コスト管理などの各種の マネジメント業務の全部または一部を行うもの」としている。
 一方、これと並行して、土木工事を中心に、2001年3月から民間のマネジメント技 術を活用した新たな入札・契約方式の試行工事に着手し、この工事の評価・フォローと併せて、さらなる試行プロジェクトを実施するため「マネジメント技術活 用方式試行評価検討」 を設置している。

 

■ 地方公共団体のCM方式活用マニュアル試案

 前項「①CM方式活用ガイドライン」において述べられているとおり、国土交通省が 2002年2月に公表した「CM方式活用ガイドライン」は、あくまでもCM方式の活用における基本的な指針を示したものであり、実際のCM方式の普及に向 けては、発注者、設計者、施工者等に対し、ガイドラインを踏まえた実務マニュアルを整備していくことが求められていた。そうした状況を踏まえ、財団法人建 設業振興基金においては、2002年2月に「CM方式導入促進方策研究会」を設置し、国土交通省をはじめ関係者の協力を得つつ、地方公共団体が発注する公 共建築工事を対象としたCM方式の導入促進のあり方について調査研究するとともに、CM方式の活用に資するマニュアルの作成を行った。
 ここでは、以上の経緯で作成された「地方公共団体のCM方式活用マニュアル試案」の位置付け、検討体制、ならびに当該マニュアル作成の検討業務を受託した日本コンストラクション・マネジメント協会(以下、CMAJ)の議論を踏まえ、その概要を示す。

 

■ 2つの研究会と3つの成果物

 「地方公共団体のCM方式活用マニュアル試案」は、2つの研究会および3つの成果物のなかに位置付けられる。2つの研究会とは、「第4章 CM事例」であげた土木工事に対する事例は、このマネジメント技術活用方式試行評価検討会での検討に沿った施工例である。
  2000年12月設置 CM 式研究会
  2002年2月設置 CM方式導入促進方策研究会
であり、3つの成果物とは、である。ガイドラインはCM方式研究会の成果物であり、調査報告書およびマニュアル試案はCM方式導入促進方策研究会の成果物である。

 既述のとおり、「CM方式研究会」の目的は国内におけるCM方式活用時の基本的な指針を示すことにあり、その成果であるガイドラインにおいては、建設市場およびCM方式の種類を限定することなく、広範な課題について基本的な議論を整理している。
 一方、「CM方式導入促進方策研究会」は、6つの前提を設けて検討対象を限定しており、その成果物である調査報告書およびマニュアル試案においても、地方公共団体の公共建築工事に限定した具体的な検討を行っている。

 

 なお、ガイドライン、マニュアル試案、調査報告書の各文書は、財団法人建設業振興基金が運営するホームページ「ヨイケンセツドットコム」のCM方式導入促進方策研究会の成果報告ページ(http://www.yoi-kensetsu.com/cm/index.html)にて閲覧またはダウンロードできる。