CM業務市場調査アンケート結果 2021年度

CM普及を目指した実態把握のための調査結果報告

一般社団法人 日本コンストラクション・マネジメント協会 会長 川原秀仁
国内調査研究委員会 委員長 小倉 哲

 

このたび、国内調査研究委員会が実施した会員所属企業等へのアンケートにより市場調査結果がまとまりました。

・2021年3月末において、CCMJ資格者を有する会社 全341社と、土木系CM業務の実態をより把握するため、(一社)建設コンサルタンツ協会 技術部会マネジメントシステム委員会 PM専門委員会の協力を得て、同所属企業15社にアンケートを送付。(2018年度・2019年度は、CCMJ資格者を2名以上有する会社のみ対象)

CM業務を受託している会社は、昨年度の34社よりも多い37社から回答を得た。

・回答社全体のCCMJ資格者数合計は720名で、2021年3月末資格者数 全1,191人のうち、約6割の資格者が所属する企業が行う2,200件以上の業務についてデータを取得。

・2018年度からの調査項目を継続しつつ、4ヶ年分のデータが蓄積されたため、分析項目を追加。

近年、日本国内においてCMの認知度が高まり、CMを活用する事業が増えている状況においてCM市場規模を把握する客観的な統計が求められています。そこで、官民問わず様々な発注者や広く建設業界関係者に対して、CM業務の実情を正しく認知してもらうために2018年度より継続的なアンケート調査を実施しています。

今後も毎年調査を実施することにより継続的な市場動向の把握を行います。

アンケート結果から読み取れる特徴は以下の通りです。

 

① CM業務売上高が増加・同等とした会社が75%超。コロナ禍においてもCM業務の需要が継続。

  継続比較可能な会社において、CM業務売上高が前年比5~8%増大

CM業務を受託している会社は35社でした。CM業務の売上高は前年度よりも増加又は同等とする会社が75%を超えました。

※「CM業務の売上高」とは、ピュアCM業務の報酬を示しています。エンジニアリングレポート作成、企画段階のボリュームスタディ業務等、CM業務に付帯する調査は含めていますが、請負工事、設計業務、監理業務、測量等の調査業務、不動産取引等の仲介手数料などは含まない金額を調査しています。

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また、新型コロナウィルスの影響による、現在進んでいるプロジェクトの中断や延期等の動向についても、昨年度(2020)調査結果に比べてCM業務が「増えそう」と回答している会社が増加し、多くの会社はCM業務の需要が継続する安定した市場であると想定している様子がうかがえます。

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CM業務の売上高を、経年比較可能な会社を比べた場合

1) 今年度(2021)・昨年度(2020)の両方に回答した18社で、前年比約5%

2) 2018~2021年度の4ヶ年全てに回答した9社のみを集計した場合、前年比約8%の増加が見られました。

2018~2021年度の4ヶ年全てに回答した9社のCM業務売上高合計は2021年度において約137億円で、全回答社の約4割を占めています。

発注者別のCM業務売上高

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② 設計事務所等が担うCM業務が増大

CM業務の主な担い手である「設計事務所・積算事務所」「CM専門会社」「建設コンサルタント」別にCM業務売上高を比較すると、「設計事務所・積算事務所」の売上高が、昨年度(2020)18%から今年度(2021)は22%(52億円から77億円)に増え、CM専門会社以外が担う業務の増加が見られました。「建設コンサルタント」も回答社数の増加によりCM業務売上高が増加しました。

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③ 官庁・公共団体、民間ともにCM業務が増大

CM業務の売上高の約8割は民間発注であるものの、建設コンサルタント会社の回答数が増え、官庁・公共団体発注のCM業務売上高が大きく増えました。民間のCM業務売上高についても前年比10%程度増えています。

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④ 「庁舎・事務所」が最も多く、次いで「文化・スポーツ施設」が多い。

  両用途は、4年連続で継続的にCM業務売上高が増

建築分野では、過去3年間に引き続き「庁舎・事務所」用途が最も多いものの、急激に伸びている「文化・スポーツ施設」用途のCM業務売上高が次いで多い結果となりました。「庁舎・事務所」「商業施設」「文化・スポーツ施設」用途は4年連続でCM業務売上高が伸びています。

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⑤ 東京以外の関東圏及び九州でCM業務が継続的に増加

地域別では、「東京」での売上高が最も多く、「東京以外の関東圏」及び「九州」では4年連続で継続的に増加しています。今年度は、建設コンサルタント会社の回答数が増え、「東北」のCM業務売上高が大幅に増えました。

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