会長挨拶

一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会 会長 川原 秀仁 日本コンストラクション・マネジメント協会(日本CM協会・CMAJ)は、2001年4月に設立し、CM(コンストラクション・マネジメント)という建設生産におけるマネジメント手法とCMr(コンストラクション・マネジャー)というその職能を、この日本で確立させ普及することを目的に活動を進めてまいりました。

 現在では、国内においても大都市圏の民間事業を中心にCMを採用した建設生産方式は一般化し、公共事業にも急速に広がりを見せつつあります。協会設立当初、言葉の認知もされず実際の案件も数えるほどしかなかったことを振り返ると隔世の感を禁じ得ません。これは会員はじめ関係の方々の尽力の賜物だと感謝いたします。CMがこれだけ浸透してきたのも、建設生産において、必要とされる存在、価値ある存在として評価され、それが積み重ねられてきた証でもあると思います。

 少子高齢化が進行し「人生100年時代」へと向かう成熟先進社会にあって、建設生産にまつわる諸事情も大きく変容しようとしています。技術者・技能者の高齢化と減少、全産業のサプライチェーン再編に伴う建設産業への波及、ネット・オンラインビジネス急拡大による業務推進への影響、説明責任義務の一層の定着、など枚挙にいとまがありません。CMおよびCMrの解決に期待する潜在的な領域と裾野は、ますます大きくなっているといっても過言ではないでしょう。今まさにCMが求められているのです。

 今後、日本CM協会は、全国津々浦々にわたる公共・民間のすべての関係者に認知いただき、CMが建設生産の「あたりまえ」になるまで、普及浸透活動を続けてまいる所存です。日本で育まれてきた日本固有の建設生産方式の良質な面を引き出し、先進的マネジメント手法と統合するような建設生産手法の発展と高い品質の維持にも努めてまいります。発注者に価値を提供し、受注者にも本質的価値を提供し、そして社会発展を促していく、「三方よし」が協会の根底に流れる精神であることは今後も変わりありません。

 日本CM協会は、CM事業者のみならず、広くCMにかかわる様々な立場の人たちによる、CMの普及と発展をめざす日本で唯一の団体法人です。唯一の認定CM資格であるCCMJ制度の運営、唯一のCM教本であるCMガイドブックの発行はじめ、教育・講演・選奨・保険・業務約款整備など、様々な活動を展開しています。 ぜひ、より広範な分野の方々に当協会に加入いただき、間違いなく拡大していくことになるCMの一翼を自ら担っていただくようお願い申し上げます。

一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会 会長 川原 秀仁