CMとは

CMの概要

CM(コンストラクション・マネジメント)は直訳すると「建設管理」となりますが、近年、国内においてその業領域の整備が進み、さらなる広がりを見せています。CM(コンストラクション・マネジメント)とは、建設生産に関わるプロジェクトにおいて、発注者からの依頼を受けたCMrがプロジェクト目標や要求条件の達成を目指し、制約条件を考慮して、プロジェクトを円滑に進めていくことで発注者にその成果をもたらす活動全般のことを指します。
また、プロジェクトを実施する方式として、「CM方式」という言葉がありますが、これは
「CM方式活用ガイドライン」(国土交通省、2002年)において「CM方式とは、米国で多く用いられている建設生産・管理システムの一つであり、コンストラクション・マネジャーが、技術的中立性を保ちつつ発注者の側に立って、設計・発注・施工の各段階において、設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、品質管理、コスト管理などの各種のマネジメント業務の全部または一部を行うものである。」とされています。

日本CM協会では、公共団体はじめ民間企業も含めた建設事業分野全般を対象としており、2024年日本CM協会発行の『CMガイドブック第4版』では、CMについて以下の3つの説明を併記しています。

  • 建設生産にかかわるプロジェクトにおいて、発注者から依頼を受けたコンストラクション・マネジャー(CMr)がプロジェクトの目標や要求の達成を目指し、プロジェクトを円滑に進めていく活動全般。
  • 国交省の「CM方式活用ガイドライン」での説明にもとづく、プロジェクト実施手法の1つとしてのCM方式。
  • プロジェクトの事業構想・基本計画から、維持管理までの、より広範なマネジメント業務をはじめ、複数施設のマネジメント、CRE(企業不動産)戦略やPRE(公的不動産)戦略の一翼を担う業務。

旧来、設計は設計事務所、工事施工はゼネコンがそれぞれの守備範囲をマネジメントしてきましたが、発注者の立場からプロジェクトを一貫してCMrがマネジメントすることにより、透明性や説明責任の確保、利益相反の排除、発注者へのより良い価値提供が可能となります。

CMrの役割

 近年の建設プロジェクトでは、発注者がプロジェクト全体を主導的に推進していきたいとの考え方が広がっていますが、公共・民間問わず発注者側の内部技術者が不足している現実もあります。そこで発注者の臨時建設室的な役割としてCMrがその任を受け、発注者の立場から建設プロジェクトを推進して成功に導いていく需要が高まっています。
 CMrは、技術的な中立性を保ちつつ、発注・設計・工事の各段階で建設プロジェクトのマネジメントを主体的に推進する役割を持ち、発注者に対して、助言・支援、あるいは代行を通して建設プロジェクトを進めて行くこととなります。発注者の意思決定をサポートし、適切な判断材料を提供することもCMrの役割の1つです。発注者の側に立つという視点から更に、プロジェクトの早期である事業構想、基本計画から運営・管理プロセスに至るまでマネジメント業務をはじめ、複数施設にまたがるCRE(企業の保有不動産)戦略の一翼を担う業務まで、CMrの役割は拡がっています。

CMrの業務

 近年、CMrの業務内容は多様化しています。この背景として、事業の発意から完成後の事業運営までを事業サイクルの一環と考え、その全てのプロセスにおいてマネジメントを採用する社会的ニーズが高まったことも考えられます。日本CM協会によるCM選奨受賞プロジェクトの業務領域からもその傾向が読み取れます。今後もCMrの能力に応じた多種・多様な業務内容へ進展していくものと考えられます。多様なプロジェクト実施方式導入の拡がりと共に、共通業務で行うプロジェクトフレームの検討や、個別業務におけるプロセスの組合せと立案が、より重要な要素となっています。

リスクと保険

 建設プロジェクトに伴うリスクには様々なものが存在しています。大きな分類として事業全体に関わる「事業リスク」とCMrとの関係性が強い「建設生産リスク」に分類されます。特にCMrとの関連がある「建設生産リスク」には、工事物件損傷リスク、賠償責任リスク、性能リスクなどがありますが、その具体的なリスク対処方法を整理したうえで、対策を講じていくことがCMrによるリスクマネジメントとして効果的です。

 また、CMrの業務上起こり得る事故(過失)に対してのリスク対策として日本CM協会が保険契約者となる団体保険として「CM賠償責任保険」があります。CM業務におけるリスク事例及びCM賠償責任保険については本協会ホームページのCMリスクと保険に掲載されています。