認定CM資格(CCMJ)とは

認定コンストラクション・マネジャー資格(CCMJ:Certified Construction Manager ofJapan)とは、日本で唯一のコンストラクション・マネジメントに関する認定資格です。
CCMJ資格は、国土交通省のガイドライン*にも引用され、多くのCM業務プロポーザル等においても参加資格要件とされるなど、公的に認知されている資格です。
CM業務に携わる皆さんにとって、必要不可欠な資格であるといえるでしょう。

*「地方公共団体におけるピュア型CM活用ガイドライン(2020年9月)」

高まる社会ニーズ(CM市場の展望)

労働者・技術者不足や建設費の不安定化、透明性確保や説明責任への対応など、建設プロジェクト推進の課題は年々、高度化・複雑化しています。
それらの課題に対応するために、第三者的立場から技術的課題を公平に評価し、透明性をもってプロジェクトを推進するCM方式へのニーズは年々増大しています。

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CM協会参画企業のCM業務売上高の推移(2023 CM業務市場アンケートより)

また、働き方改革への対応をはじめとする企業の経営基盤強化や、SDGsや脱炭素など、新たな社会課題解決に向けて、従来の建設の枠にとどまらない大きな役割を果たすことも、CMには期待されています。

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一般的なCM業務以外の注目分野(2023 CM業務市場アンケートより)

キャリアに合わせて選べる2種類の試験種別

CCMJ資格試験はCM業務に関する十分な知識と能力を認定するだけでなく、将来に向けた一人ひとりのキャリアアップと人材育成の視点から、2種類の試験種別を設けています。
コンストラクション・マネジャー(CMr)に求められる職能は確かに高度ですが、経験の浅い方でも挑戦でき、個人の職歴に沿った資格獲得が可能な仕組みになっています。

CCMJ:Certified Construction Manager of Japan

建設のプロフェッショナルとして3年以上の実務を有する人に対して、知識試験と能力 試験を実施して、CM業務をなしうる者をCCMJの合格者とします。

ACCMJ:Assistant CCMJ

CCMJの受験資格を満たしていない人でも、受験可能です。
CCMJと同様の知識試験を先行受験し、合格点に達した者をACCMJ(Assistant CCMJ)の合格者とします。(資格ではありません)
ACCMJ合格後5年以内は、CCMJ受験時に知識試験が免除されます。

資格取得の拡がり(認定CM資格者数の推移)

CCMJ資格試験合格者は、資格登録を行うことで資格者として認定されます。認定CM資格登録者数は、ニーズの増大に伴って年々増加しています。

受験者の拡がり

業種では、建設業界以外にも、⺠間会社(不動産、製造業、⾦融業など)、官庁や教育関係者など幅広い職業の⽅が受験されています。
学生時代の専攻では、多様な学問領域の方々が受験しています。建築学以外の理系では、電気・機械工学系、土木工学系、理学系など。文系では、商学・経営学・政治経済学・法学などの方も受験されています。近年では建設コンサルや製造・金融などの民間会社の受験者が増加しており、異業種からの関心も高まっています。

2021年度 受験者数・合格率

受験率=受験者数/応募者数、合格率=合格者数/受験者数
受験区分応募者数受験者数欠席者数受験率(%)合格区分合格者数合格率(%)
CCMJ 537 486 51 90.5 CCMJ 159 32.7
ACCMJ ※124 -
ACCMJ 65 60 5 92.3 ACCMJ 26 43.3
合計 602 546 56 90.7 - 309 -

※CCMJ 受験者(知識と能力の両試験を受験)のうち、知識試験のみの合格者

2022年度 受験者数・合格率

受験率=受験者数/応募者数、合格率=合格者数/受験者数
受験区分応募者数受験者数欠席者数受験率(%)合格区分合格者数合格率(%)
CCMJ 546 490 56 89.7 CCMJ 118 24.1
ACCMJ ※162 -
ACCMJ 73 62 11 84.9 ACCMJ 41 66.1
合計 619 552 67 89.2 - 321 -

※CCMJ 受験者(知識と能力の両試験を受験)のうち、知識試験のみの合格者

2023年度 受験者数・合格率

受験率=受験者数/応募者数、合格率=合格者数/受験者数
受験区分応募者数受験者数欠席者数受験率(%)合格区分合格者数合格率(%)
CCMJ 558 510 48 91.4 CCMJ 119 23.3
ACCMJ ※142 -
ACCMJ 80 70 10 87.5 ACCMJ 39 55.7
合計 638 580 58 90.9 - 300 -

※CCMJ 受験者(知識と能力の両試験を受験)のうち、知識試験のみの合格者

受験機会の拡がり

資格試験は、CBT試験で実施します。試験会場は47都道府県すべての県にある300ケ所以上のテストセンターから選択できます。また、知識試験は、9日間の試験日の中から選択して受験できます。受験しやすくなったことから、最近の2年では関東以外の関西やその他地方の受験者が約2割も増加しています。受験は、実務経験3年以上でチャレンジでき、早期受験がお勧めです。CM関連知識の早期習得により、実務成果の向上とキャリアアップに確実に繋がります。全国からのCCMJ試験へのチャレンジを期待します。

CBT試験の詳細は、シー・ビー・ティ・ソリューションズ(株)のHPを参照ください。
https://cbt-s.com/examinee/examination/cmaj.html

2023,2022年度 地方別受験者数推移
単位:(人)

資格取得にチャレンジするメリット

設計事務所・建設会社勤務の方

職務の幅を広げ、キャリアのステップアップを実現します

マネジメントは、設計、施工の職務遂行において建設の専門技術と両輪をなす不可欠なスキルです。CCMJ取得を通して、培ってきた専門技術にマネジメント知識と能力を加味することで、更なるステップアップに役立てることができます。

設計事務所を主宰している方

業務領域を拡大し、新たな顧客獲得に役立ちます

営業活動としてのアドバイスや標準外業務等、設計業務報酬に含みにくいサービスをCM業務として新たに業務メニューに加えることで、経営の安定と拡大に役立てることが可能になります。

自治体・公共団体で建設系の職務に携わっている方

技師不足、人材不足の解決に貢献できます

建設系技術者の不足、プロセスの透明性など、工事発注をめぐる環境は厳しさを増しています。従来のような経験や先任者からの教育による人材育成が難しい今日、担当者によるCCMJ取得は、スムーズな発注戦略の立案に役立ちます。

企業の施設管理・建設プロジェクト発注担当の方

建物や施設を、経営資源として適切に運用していく視点を提供します

CRE(企業の保有不動産)やPRE(公的不動産)は経営戦略の重要な要素です。戦略の立案から個別事業の執行までカバーできるプロジェクト推進のスキルを獲得し、経営への貢献を実現します。

学生の皆さん

建設業界だけにとどまらない広い視野と、汎用的な武器となるスキルを獲得できます

GDP(国内総生産)の5.5%を占める建設業を幅広く俯瞰できる視野を、自身のキャリア設計に役立ててください。日本の建築系学科では習得の機会が少ない、マネジメントという汎用的なスキルを身に着ける機会としても有効です。

※今後、認定コンストラクション・マネジャー資格を取得したことで拡がったキャリアアップ事例を紹介する予定です。

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