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協会からのお知らせ

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CM普及を目指した実態把握のための調査結果報告

一般社団法人 日本コンストラクション・マネジメント協会 会長 川原秀仁
国内調査研究委員会 委員長 小倉 哲

 

このたび、国内調査研究委員会が実施した会員所属企業等へのアンケートにより市場調査結果がまとまりました。

・2023年3月末において、CCMJ資格者を有する会社 全392社と、土木系CM業務の実態を把握

 するため、(一社)建設コンサルタンツ協会 技術部会 マネジメントシステム委員会 PM専門

 委員会の協力を得て、同所属企業16社にアンケートを送付

2,500件以上(売上高で約360億円超)の業務についてデータを取得。

・2018年度からの調査項目を継続しつつ、6ヶ年分のデータが蓄積されたため、分析項目を追加。

近年、日本国内においてCMの認知度が高まり、CMを活用する事業が増えている状況においてCM市場規模を把握する客観的な統計が求められています。そこで、官民問わず様々な発注者や広く建設業界関係者に対して、CM業務の実情を正しく認知してもらうために2018年度より継続的なアンケート調査を実施しています。今後も毎年の調査実施により市場動向を継続的に把握します。

アンケート結果から読み取れる特徴は以下の通りです。

 

① アフターコロナや社会情勢の変動期においても、CM業務売上高は増加・同等となった会社が

 約8割(昨年度との比較が可能な会社において、前年比5%のCM業務売上高増大)

CM業務を受託している会社は回答社39社中34社でした。CM業務の売上高について「前年決算期に比べて増えた」「大きな変化無し」が合わせて全体の8割超を占めています。

※「CM業務の売上高」とは、ピュアCM業務の報酬を示しています。エンジニアリングレポート作成、企画段階のボリュームスタディ業務等、CM業務に付帯する調査は含めていますが、請負工事、設計業務、監理業務、測量等の調査業務、不動産取引等の仲介手数料などは含まない金額を調査しています。

fig01

CM業務の売上高を、経年比較可能な会社を比べた場合

1) 昨年度(2022)と今年度(2023)の両方に回答した25社では、約5%の増加。

2) 一方、2018~2023年度の6ヶ年全てに回答した9社の売上高は前年度調査から横ばい(2%減)で、CM業務の担い手不足等、後述するCM業務普及の障害が影響している可能性も想定されます。

6ヶ年全てに回答した9社の売上高合計は今年度(2023)において約145億円で、全回答社の約4割を占めます。

fig02

② 「生産・倉庫・物流施設」は直近4年間で2倍以上に増大。

建築分野では、「生産・倉庫・物流施設」の用途が最も多く、「事務所」用途のCM業務売上高が次いで多い結果となりました。「事務所」「生産・倉庫・物流施設」の2分野で、建築分野全体の売上高(「建築その他」を除く)の約半分、次いで多い「文化・スポーツ施設」「教育・研究施設」までを加えた4分野で約7割を占めます。「生産・倉庫・物流施設」は2020~2023年度の4年間で2倍超に拡大しています。

fig03

【初調査】基本計画や調査・測量段階等、設計着手前の段階に関わるプロジェクト数が約4割。

どの段階の業務を受託しているかについて、複数回答(重複回答あり)で尋ねたところ、基本計画や調査・測量段階等、設計着手前の段階に関わるプロジェクト数が最も多い結果となりました。

これは、土木分野を中心に受託している建設コンサルタントと、主に建築分野の設計事務所・積算事務所、CM専門会社のどちらも約4割を占める傾向でした。一方で、建設コンサルタントは工事発注段階に関わるプロジェクトが多いのに対して、設計事務所・積算事務所、CM専門会社では、工事段階や、運用・維持管理段階に関わるプロジェクトが多いこと傾向が見られました。

fig04

【初調査】CM業務の普及において担い手不足が一定程度の障害になっているとの回答が9割超。

  また土木分野が多い建設コンサルタントではCM認知度や権限・役割分担の不明確さ等

  発注者側要因による障害を全社が回答。

CM業務の普及において、「担い手不足」が一定程度の障害になっているとの回答が、主に建築分野の業務が多い「設計事務所・積算事務所、CM専門会社」では9割を超えました。

建設コンサルタントにおいても「担い手不足」の要因が挙げられたものの、「CMの認知度」や「権限・役割分担の不明確さ」など発注者側に起因する要因が多く挙げられたのに対して、「設計事務所・積算事務所、CM専門会社」では受注者側に起因する要因が、より多く挙げられました。

fig05

⑤ 従来のCM業務の領域を超えた社会課題に対応する業務に注目する会社が多い。

「脱炭素取り組み」「オフィスの働き方改革」「CRE戦略」「ZEB等補助金申請取得」等、従来のCM業務の領域を超えて、広く社会課題に対応する業務に注目している会社が多いことが分かりました。またこれらの領域を、既に業務として受託している会社も多い結果となりました。

    一般的なCM業務以外に注目している分野や受託している業務(複数回答可)

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