CM選奨2026

優れた事例の表彰によるCM制度の普及を目指して 応募受付期間 20251015日(水)20251121日(金)WEBにて応募

詳しくはこちら
CM選奨2020

CMのすべてが分かる!

コンストラクション・マネジメント教本の決定版!

詳しくはこちら
CMのすべてが分かる!

お知らせ

more

What is CM?CMとは

CMの基本情報をお伝えします。

more

Pick Up

ピックアップmore

第12,13回 座談会動画をUPしました!’2025.09.03 THU

212
more

2024年度 北海道 公共CM活用セミナー’2025.02.13 THU

212
more

建設技術展2024年関東・C-XROSSに出展’2024.12.04 WED

212
more

北九州市立大学でPM/CMを特別講義’2024.12.12 THU

212
more

九州大学大学院でPM/CMを特別講義’2024.12.11 WED

212
more

2024年度 東北支部_公共CM活用セミナー’2024.10.21 MON

212
more

Information

協会からのお知らせ

more
プロジェクトレポート

projectジブリパーク整備事業 CM業務

ジブリパークとして映画の世界観を表現/予算内・工期内で工事完了

  • ポイント1 ECI方式における円滑な工事契約の締結
  • ポイント2 ECI方式におけるコストの透明性を確保
原村 智行
  • 明豊ファシリティワークス株式会社
    PM本部/グローバルディレクション部 部長
    原村 智行
選奨2025応募_ジブリパーク整備事業CM業務_P4_ジブリの大倉庫(中央階段)写真 明豊ファシリティワークス株式会社 © Studio Ghibli
選奨2025応募_ジブリパーク整備事業CM業務_P4_ジブリの大倉庫(中央階段)写真
明豊ファシリティワークス株式会社
© Studio Ghibli

テーマ1発注者がCMrに求めたことは?

ECI事業における技術提案と工事費の妥当性評価を支援してほしい

 「ジブリパーク整備事業」は、「愛知万博の理念と成果を次世代へ継承し、愛・地球博記念公園の魅力と価値を一層高める」という事業目的のもと、愛知県初のECI方式を採用したプロジェクトとして進められました。第1期整備エリアは2022年11月、第2期整備エリアは2023年11月、2024年3月に順次開園し、多段階で開業を成功させました。
 愛知県は、スタジオジブリ監修のもと建築物の意匠や素材で映画の世界観を表現するという特性から「発注者が最適な仕様を自ら設定できない工事」として、ECI方式を採用しました。ECI方式により技術協力者の知見を活かして仕様を固めることが可能になる一方で、価格競争のプロセスがないため、技術協力者と仕様・価格等を交渉していく必要が生じました。そのためCMrには、技術協力者から提出される各種提案及び工事費の評価、交渉資料の作成・支援、的確かつスピーディーなコストマネジメントを実施することで、「透明性を確保した工事契約」と着工後の「工事費の増加抑制」の実現を支援しました。

テーマ2CMrが立てた目標は?

ジブリパークとECIの特徴を捉えた説明可能なコストマネジメント

【目標1】映画の世界観の表現
【目標2】予算内+期限内完遂
【目標3】コストの透明性と説明責任の向上

テーマ3CMrがとった手法は?

【映画の世界観を表現】

ジブリパークの特性を理解したコスト評価

 ジブリパークに要求される仕様は特殊性・専門性が高いため、通常のコスト情報のみでは妥当性が評価できませんでした。コスト評価は透明性、合理性、発注者利益を守る立場で、総合的に評価する必要があります。また工事費に対して、なぜ高いのか、安いのか、どの項目が影響しているのか、市場と比べてどうなのか?を根拠を持って発注者に説明できることも重要です。
 本業務は、異なる構工法を採用した多数の建屋、テーマ付けされたエリア、公園内の外構・インフラ強化・更新、プール棟コンバージョンや新築・改修等の多種多様な工事費を対象に妥当性を検証するものです。すべての工事費内訳を確認し、公共の工事単価データや類似案件の当社コストデータを基に、様々な分析手法で検証して、透明性、合理性を追求していきました。一方で、ジブリパークに必要とされる高い品質と特性を理解した上で技術提案の分析・評価を行い、技術協力者と、品質を担保しながら県の予算内でどうしたら実現できるかの検討・協議を重ねました。そうした取り組みの成果として、ジブリの世界観を損なうことなく、コストの妥当性評価を実行し、予算内で本整備事業を完遂することができました。

全体スケジュール
全体スケジュール
展示・演示工事
展示・演示工事
公園整備工事
公園整備工事

【予算内+期限内完遂】

ECI方式における円滑な工事契約の締結

 ECI方式は、設計の早い段階から技術協力者(施工者)が参画する点に特徴がありますが、その時点では工事契約が締結されていないため、施工者として最終的に選定されることが保証されていません。このため、いざ工事発注の段階で契約に至らないというリスクを常に抱えています。また、価格競争プロセスを経ずに技術協力者と仕様や価格を調整していく手法であることから、提示されるコストの妥当性をどのように検証するかが、避けて通れない重要な課題となります。また当整備事業は、変更工事費と公園整備費の検証を平行して行う複雑かつ時間的制約の大きい案件です。いかに迅速に正確にコストの妥当性評価を実行していくかも大きな課題でした。
 私たちは、技術協力者の技術提案を受領次第すぐに、提案内容を精査しました。ターゲットコストと検証範囲を県と協議し、複数の視点よりコストを検証する仕組みと、確実に価格交渉を成立させるシナリオを提案し採用されました。例えば、コスト縮減への影響と並行して提案の評価を実施するなど、スピード感を持って対応。逸脱したコストについては、内容を照合しながら提案者と詳細に協議を重ねることで、妥当性を検証していきました。私たちは、徹底的にコストの合理性を 明らかにしながら、県と技術協力者と協議を重ねることで価格交渉をスムーズに進めることに注力しました。その取り組みの成果もあり、スケジュール通りに工事契約を締結し、予定期間内にプロジェクトを完遂することができました。

【コストの透明性と説明責任の担保】

コストの透明性を確保

 コストは、設計・施工・調達が段階的に進行し、それぞれのフェーズで仕様変更や市場価格変動の全体コストに対する影響を、いち早く察知しなければなりません。コスト上昇の兆候を早期に把握できれば、VE/CDの検討等、迅速な対策を講じることが可能になります。
 CMrは、プロジェクト全体での信頼性と発注者の意思決定を確実なものとするため、プロジェクト全体を通じてコスト変動の推移を継続的に記録することが不可欠です。
 本件についても同様です。先述の通り、私たちは実施設計段階から参画し、コストに関して様々な視点で検証と協議を繰り返し実施し、その結果プロジェクト全期間を通じて記録しました。これにより、発注者は、予算の達成状況を常に把握することができ、必要なタイミングで最適な対応の選択ができるようになりました。これらの取り組みの結果、現段階のコスト状況を常に可視化することで安心感のあるコスト管理を推進するとともに、CM方式が本来持つ価値として、発注者の合理的な意思決定を確実に支援することができたと考えています。

テーマ4発注者の評価は?

2024年3月ジブリパーク5エリアの開園に貢献

 期間内・予算内で工事が完了し、ジブリパークとして映画の世界観を表現することができました。県とCMrが一丸となって妥当性評価と価格協議に取り組み、検証結果を着実に積み上げて予定通りに金額合意ができたことによる結果だと思います。愛知県のご担当者様からは、「映画の世界観を現実に表現するという難しいジブリパーク整備事業における妥当な金額の評価等を目的としたCMrのコストマネジメント業務は、愛知県初のECI方式による今回の事業を成功させる一翼を担った。」との評価を頂きました。本事業で実施した「ECIにおけるコストマネジメント」は、現在のような建設物価高騰の市況下においても応用できるものと実感しています。今後の発注者支援事業においても、広く展開していきたいと考えています。

プロジェクトデータ

<プロジェクト情報>

  • 【名 称】ジブリパーク整備事業 CM業務
  • 【所在地】愛知県長久手市
  • 【種 別】新築・改修・その他(都市公園整備、展示・演示工事) / 非住宅建築・土木・ その他(公園施設)
  • 【CM業務委託者】愛知県
  • 【CMr】明豊ファシリティワークス株式会社
  • 【CM業務契約期間】2019年11月~2024年3月
  • 【CMrの選定方法】プロポーザル
  • 【CMrの参画時期】実施設計段階、工事発注段階、工事段階
  • 【設計・施工の発注形式】設計施工一括、ECI
  • 【設計者の選定方法】プロポーザル
  • 【施工者の選定方法】技術提案・交渉

<CM業務内容>

  • 【全般】発注者の目標・要求の確認と更新、プロジェクトにおけるリスクについて説明、CM業務報告書の作成
  • 【実施設計でのマネジメント】実施設計の方針検討、実施設計図書等の内容の確認
  • 【施工でのマネジメント】技術協力内容評価、工事費積算評価、価格交渉支援、公共予定価格設定支援、VE提案、契約締結支援、設計調整会議参加、評価委員会準備支援、現地調査、数量総括表作成、積算資料作成
  • 【完成後のマネジメント】長寿命化計画の策定