日本コンストラクション・マネジメント協会(日本CM協会)は、日本において建設事業のマネジメントであるCM(コンストラクション・マネジメント)に関わる業務・能力・知識を整備し、CMr(コンストラクション・マネジャー)の職能を確立して、その普及・発展を通じて社会貢献を実現することを目的に2001年4月に発足しました。その後に2009年の一般社団法人の設立、2021年の20周年を経て発足の目的を着実に遂行し、最近のCM(CM方式)は公共・民間や建築・土木を問わず急速に普及・発展しています。私自身も活動を通じて、CMガイドブックの初版から第4版までの多様化・高度化・専門化、CCMJ資格の受験者・登録者の堅調な増加などを実感してきました。
近年に建設業界が遭遇した東日本大震災からの復興支援や新型コロナ禍でのプロジェクト推進などでは、様々な困難を余儀なくされた建設事業でCMによる業務の必要性や役割の重要性が浸透し、発注者をはじめとするプロジェクト関係者に広く認知されました。また、昨今の建設業界が直面している建設費高騰・工期延伸・担い手不足などの難局では、建設事業の不確実性により発注者の不安・不満が増大しています。ここでも欧米諸国のCMの変遷でも明らかな様に、CMrの創意工夫と課題解決で建設事業のマネジメントを通じて社会的な課題に対処する必要があります。建設事業の停滞が日本の経済力の制約や成長力の下振れ要因などと報じられている現状において、日本CM協会の発足の目的を再確認し、「社会に信頼される健全なCMの全国への普及・発展」を基本方針として掲げます。
基本方針の達成には、CMの担い手(CMr)のみならず、建設事業のマネジメントに携わる様々な立場の方々との協働が必要かつ重要です。日本で唯一の認定資格であるCCMJ(Certified Construction Manager of Japan)の認定・更新、同じく唯一の教本であるCMガイドブックや関連書籍の改訂・刊行、各種の講習会・セミナーの企画・運営、CM選奨による優れた業績の認定・表彰と対外的な広報・啓蒙などの活動を今後も積極的に全国に展開します。是非とも様々な立場の方々にこれらの活動に参画して頂き、より一層のCMの普及・発展への一翼を担って頂けます様、宜しくお願い申し上げます。
一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会 会長 吉田 敏明