projectⅠAJINOMOTO NEW FACTORY PROJECT
ダイバーシティにおけるPMの可能性を開拓
- ポイント1 多様な背景のローカルスタッフを巻き込んでのプロジェクト推進支援
- ポイント2 ビッグプロジェクトでの適切なコスト&スケジュールマネジメント
- 株式会社プラスPM 取締役森野 祐介
- 株式会社プラスPM 取締役船元 輝男
テーマ1発注者がCMrに求めたことは?
ダイバーシティでチームを牽引し、高い品質と適切なコスト&スケジュールの実現
発注者のAJINOMOTO ( MALAYSIA ) BERHADは、味の素株式会社のマレーシアにある連結子会社であり、「顧客中心のグローバルなハラル食品企業」である。マレーシアは様々な人種・宗教が混在して一つの国として成立しているダイバーシティ(図1)であり、この国で事業を行う場合、多様性を認め、尊重することが何よりも求められる。今回発注者が移転新築を行った工場も例外ではなく、従業員全員が快適に働ける施設にするために数多くのことへ配慮する必要があった。さらに、食品工場はマレーシアの国教であるイスラム教のハラルに準拠する必要があり、唯一の公式ハラル認証機関であるマレーシア・イスラム開発局(JAKIM)からの認証を取得しなければならない。しかし、JAKIMのハラル認証は他国よりも条件が厳しいため、大規模な工場で認証を得るには緻密な計画が必要であった。
また、工場の規模が約53,200m²と非常に大きく、定められた予算と稼働時期を遵守するには高いプロジェクトマネジメント力が必要とされた。 それらの事情を踏まえて、発注者は専門家の支援が必要と考え、CMrを採用した。そのためCMrには、マレーシアと日本の建築知識に加え、マレーシアの慣習への精通と様々な背景を持った発注者組織内の関係者全員の要望を引き出し、まとめ、施設へと反映できるグローバルなチームマネジメント力が求められた。加えて、「世界中の人々がいつまでも楽しく笑顔で食卓を囲めるように」という企業としての想いから、通常マレーシアでは日本より軽視されがちな安全・環境対策についても厳しいマネジメントを要求された。...
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