CMr オピニオン「設備CMrとしての目線」

CMrオピニオン

設備CMrとしての目線

阪急コンストラクション・マネジメント株式会社
東京本店
高嶋 優一郎

設備設計者としてこれまで総合設計事務所に勤務していましたが、4年前にCM専門会社へ転職し、設備担当として設計・工事の監修、コスト確認等、試行錯誤しながらCM業務を行っています。

私が携わっている案件では発注者側が建築に詳しい方が少なく、日常的に利用する建物や設備についての理解はあっても詳細までわからないといった発注者が多い状況です。このようなプロジェクトではCMrとして、専門的な分野の知識はもちろんのこと、各CMrは建築・電気・設備と分けて考えるのではなく、建物全体の状況を把握しつつ、発注者へわかりやすい適切な助言を行っていく総合的な目線を持つことが必要であると感じています。

まだCMrとして関わったプロジェクトは少ないものの、誰の何の為の施設なのか、どのように利用したいのか、目標とする施設へ向け、どこにコストをかけ、どのような設備が必要になるのかという検討と説明、発注者の意図を配慮したもの提案するという、本来、設計業務の中で行うべき事が、設計者から発注者へ十分に伝えられていない状況が見受けられます。設備CMrとして、プロジェクト全体を俯瞰して、不足している内容に対して、何が適切であるか、何を準備したらよいか、プロジェクトの成功のため自身の専門知識を役立てられるよう設計者への助言も必要と考えています。

私自身設計事務所出身ということもあり、どうしても設備設計の内容を厳しい目で見ることが多いですが、最終的に発注者が望む建物となるよう、意見交換を行える環境を作り、プロジェクトメンバー全体で協力していけるよう心がけていきたいと思っています。