川原会長 年頭所感

社会・経済をけん引する建設産業をより効率的に!

 現在、建設産業は非常に繁忙であり、建設投資額もバブルの頃に迫るような勢いになっています。もはや国内の社会・経済をけん引していく側の存在であることを自覚すべき時なのかもしれません。

一方で、建設産業に従事する就業者・技術者は確実に減少と高齢化を続けており、合せて今年4月から導入される働き方改革も加わって、これまでと同じようなやり方を続けていくようでは、これまでと同じ技術品質を保持できない事態が噴出していくことになります。もちろん、価格高騰の荒波も産業全体を苦しめている大きな要因となっています。

大変な難題が山積していますが、これらを乗り越えていくためには、建設生産をサプライチェーン全体で捉え、向き合っていく意識を変え、徹底した効率化を図っていく施策を躊躇なく投入していくことしか他に道はないと思います。

ITやDXの進化に委ねるまでにはもう少し時間がかかります。その前に、建設サプライチェーンそのもののあり方を制度や慣習まで含めてタブーなく改変していくしかないのではないでしょうか。これは設計や工事施工の単一プロセスだけの問題ではありません。

事業発意から発注・調達、設計、工事施工、運営とつながるサプライチェーン全般に渡る改変です。よりシームレスに、よりコンカレント(同時並行)に! そしてこれからは、発注者と受注者が協力し合って、相互に提案や知恵を出し合いながら目標に達成していく仕事のやり方が主流になるような気がしてなりません。その中で、CMは最適な役割を果たします。

日本CM協会は、将来にわたり若者たちがこぞって集まってくるような魅力的な産業づくりに貢献できるよう、今年も精励してまいります。

日本コンストラクション・マネジメント協会 会長 川原秀仁

一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会 会長 川原秀仁