CM選奨2019 審査総評

今回の応募総数は、前回より1件減の25件であった。
応募締め切り後、平成30年12月3日に第1回審査委員会を開催し、全応募業績が審査要件を満たすことを確認した。その後、各審査委員が応募書類の予備審査を行い、平成31年1月18日に第2回審査委員会を開催した。第2回審査委員会では、各委員の予備審査にもとづいて審議を行い、各応募業績の評価点を決定した。また、上位16件までをCM選奨候補とし、このうち6件を最優秀賞・優秀賞・特別賞候補としてヒアリングを行うこととした。同年2月18日に第3回委員会を開催し、6件のヒアリングを行った後、1件の最優秀賞候補、4件の優秀賞候補、および1件の特別賞候補を決定し、理事会に報告することとした。
選奨候補となった業績は、いずれも複雑化、高度化するプロジェクトを成功裡に完成に導きたいという発注者の切実な要請によく応えたものであり、CMに対する社会的ニーズ、CM事業者の能力の社会的認知はいよいよ確固たるものになったという感がある。また、CM業務はより多彩になると同時にその範囲もプロジェクトのより上流に及んでおり、この点もまたCM事業のいっそうの拡大発展を裏付けていると言える。一方、CM業務が工事段階を中心としたマネジメント業務の範囲を超えて各種の企画・コンサルティング業務、あるいは設計・監理業務等を包含しながら多様化するに至って、CM業務のスコープ、CM事業者の責務に関する関係者間の共通理解があいまいになっていることも事実であろう。
CM選奨は、優れた取り組みの共有を可能にする唯一の場である。今後も、多様化するCMとその役割の社会的認知をいっそう深化させ、CMのさらなる進化を先導する優れた業績の応募を期待したい。